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有機フッ素化合物を除去する強塩基性アニオン交換樹脂
ピュロライト社は、水中の微量有機フッ素化合物(Perfluorocarbons、以下PFCs)を除去できる強塩基性アニオン交換樹脂「Purofine® PFA694E」と「Purolite® A592E」を新たに開発しました。
PFCsはフッ素加工工程や油火災用の消火剤(界面活性剤)に用いられてきましたが、その発がん性が疑われ、また環境中でも分解されにくく化学的に安定した物質であるため、人体・生物への有害性・蓄積性が問題になっています。
ピュロライトの新しいアニオン交換樹脂は、地下水・飲料水・ポータブルウォーターに含まれる極めて低い濃度(ppt = ng/Lレベル)のPFCsを効率的に除去でき、また、廃水処理の最終工程(ポリッシング)にも適用できます。
Purofine® PFA694EとPurolite® A592E
Purofine® PFA694Eはゲルタイプの母材の非再生型樹脂です。またPurolite® A592Eはマクロポーラスタイプの母材を持つ、再生・再利用が可能なアニオン交換樹脂です。いずれもPFCs濃度が検出下限値に近い1-5ppt(ng/L)以下の処理水を得ることができます。一般物性を下の表に記載しています。
特徴:
- 水中のppt(ng/L)レベルの微量濃度のPFCsを検出下限値以下まで除去
- 活性炭に比べ3倍以上の交換容量を持つため、長期的に安定した除去性能を維持
- アニオン交換と吸着による2つのメカニズムでPFCsを除去し、強固に固定
- 交換速度が極めて速いため、少ない樹脂量かつ高い流速でも除去性能を発揮
- 米国NSFによる飲料用途認可(NSF/ANSI Standard 61)
- 米国FDAイオン交換樹脂製造指針に適合(食品添加物に関するCFR 21 パラグラフ25)
除去対象となるPFCs(確認済み):
- PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
- PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
- PFBA(ペルフルオロブタン酸)
- PFBS(ペルフルオロブタンスルホン酸)
- PFHxA(ペルフルオロヘキサン酸)
- PFHpA(ペルフルオロヘプタン酸)
- PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)
- PFNA(ペルフルオロノナン酸)
米国EPAは2016年5月に、飲料水のPFOA(ペルフルオロオクタン酸)とPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)の濃度に関して、70ppt(ng/L)を健康警告レベル(health advisory level)としています。
Purofine® PFA694Eの一般物性
母体・外観 | ゲル型スチレン系・球状粒子 |
官能基 | 複合アミノ基 |
水分含有率 | 60%以下 |
粒度分布 | |
平均粒径 | 675±75μm |
均一係数 | 1.3以下 |
適用温度(Cl形) | 100℃ |
Purolite® A592Eの一般物性
母体・外観 | マクロポーラス型スチレン系・球状粒子 |
官能基 | 複合アミノ基 |
粒度分布 | 300-1,200μm |
<300μm | 1%以下 |
均一係数 | 1.7以下 |
適用温度(Cl形) | 100℃ |
【更新履歴】
更新:2020年7月27日
投稿:2017年5月12日