課題の解決方法を提案します★合成吸着剤によるリンゴジュースの脱色

課題の解決方法を提案します★合成吸着剤によるリンゴジュースの脱色

濁りの無いリンゴジュース

リンゴジュースは広く消費されており、その市場は年々成長すると推定されています。リンゴジュースは、リンゴをすりつぶして圧搾し、酵素反応させて抽出度を高め、ろ過した果汁を得ることで製造されます。ジュースの濁りは一般に、プロリンとポリフェノールの間の相互作用によるものですが、合成吸着剤でリンゴ果汁からポリフェノール(または色)を除去すると、濁りの無いジュースを得られます。

 

合成吸着剤を利用したリンゴジュースの脱色

Macronet™ MN102 は、味と香りを変えることなく、リンゴジュースから色を除去できます。当社アプリケーションラボで、MN102に流量10BV/hでジュース(Brix15, pH3.79)を通液して処理液の色をテストしたところ、30BV程度までは高い脱色効果が確認されました。40-50BV以上では脱色効果は低下しますが、通常2% NaOH溶液による再生処理により再利用が期待できます。

図1:Macronet™ MN102によるリンゴジュースの脱色(通液速度10BV/h)

 

Purosorb™ PAD900も、リンゴジュースの脱色に関して高いパフォーマンスを発揮します。ジュース(Brix15, 液温40℃)をPAD900に2BV/hで通液処理して脱色効果をテストしたところ、9時間(=18BV)経過しても脱色効果が確認できました(図2)。

図2:PuroSorb™ PAD900によるリンゴジュースの脱色(通液速度2BV/h)

 

またPAD900 は表に示すように、6種類の農薬の除去にも非常に効果的でした。市場では広範囲にわたる農薬が使用されているため、樹脂の能力をより完全に理解するために、個別に追加試験を行うことが推奨されます。

表:Purosorb™ PAD900によるリンゴジュースから農薬の除去(2BV/h)

 

活性炭と合成吸着剤

リンゴジュースの脱色には活性炭やその他の方法が使用されています。活性炭は合成吸着剤(樹脂)に比べて安価ですが、合成吸着剤には除去物質の選択性が高いという利点があります。すなわち合成吸着剤は、ジュースの味や香りを損なうことなく色や濁りを除去する効果が期待でき、高品質の製品製造が期待できます。またリンゴジュースの脱塩が必要な場合は、強酸性カチオン樹脂の後に強塩基性アニオン交換樹脂を連続処理することが推奨されます。


 

課題の解決方法を提案します★イオン交換樹脂による二酸化炭素(CO2)吸着性能試験

課題の解決方法を提案します★イオン交換樹脂による二酸化炭素(CO2)吸着性能試験

関心が高まるDAC技術

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、大気から直接二酸化炭素(CO2)を分離して捕集・回収する技術(DAC: Direct Air Capture)が注目されています。イオン交換樹脂はDAC技術に使われるCO2捕集技術の一つで、特にアミンを官能基に持つ弱塩基性アニオン交換樹脂は、CO2吸着効率が高いことが実証されています。 Read more

課題の解決方法を提案します★耐酸化性に優れる強酸性カチオン交換樹脂

課題の解決方法を提案します★耐酸化性に優れる強酸性カチオン交換樹脂

Purolite®C100x10MB

耐酸化性に優れる高架橋度の強酸性カチオン交換樹脂

純水・軟水装置に用いられる強酸性カチオン交換樹脂は、通常、官能基としてスルホン酸基を有します。この樹脂が酸化剤である遊離塩素、溶存酸素などによって酸化された場合、ポリスチレンスルホン酸(PSA)が溶出し、処理水の着色や水質低下を招きます。このような酸化劣化は鉄や銅などの遷移金属イオンが触媒として働くことで進行が早まることが知られています。これは架橋度(DVB%)の低い樹脂ほど顕著な傾向がみられます。 Read more

課題の解決方法を提案します★水道水の有機フッ素化合物(PFAS)除去に優れた性能を発揮するイオン交換樹脂

課題の解決方法を提案します★水道水の有機フッ素化合物(PFAS)除去に優れた性能を発揮するイオン交換樹脂

水道水や地下水に混入するPFAS

水道水や地下水への混入が問題になっている有機フッ素化合物(PFAS)は、一般的な陰イオン交換樹脂である程度除去できますが、選択性が低く、処理水に除去しきれないPFASが残留する傾向があります。

また活性炭もPFAS除去に適した安価な吸着剤ですが、通水処理が進むと活性炭に微生物が増殖し、微生物がより分子量の大きいPFAS前駆体を分解し、処理水のPFAS濃度を上昇させるといった予想外の現象も発生します。

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