【課題解決】大型純水装置の再生剤消費量を大幅に低減 – Purolite® SSTシリーズ

コア・シェル型イオン交換樹脂Purolite® SSTシリーズ

Purolite® SSTシリーズは「コア・シェル型」の特殊な構造を有するピュロライト社独自のイオン交換樹脂です。

Purolite® SSTの強酸性カチオン交換樹脂と弱酸性カチオン交換樹脂は、北米・南米市場において既に10年ほどの使用実績があります。また2014年に上市された強塩基性アニオン交換樹脂タイプについては、北米・南米市場だけでなくアジア市場でも、純水製造用途において複数のユーザーに採用され、運用が始まっています。

強塩基性アニオン交換樹脂タイプのPurolite® SSTは、Ⅰ型ゲルタイプのSSTA64とⅡ型ゲルタイプのSSTA63の2種類が製品化されています。

再生剤の消費量を減らして大幅なコスト低減

既設の純水装置の樹脂塔で使用されてきた標準樹脂をPurolite® SSTに入れ替える事で、再生時の薬剤・洗浄水の消費量を減らすことができ、大幅なコスト低減を実現しています。

また、強塩基性アニオン交換樹脂タイプのPurolite® SSTは、ゲルタイプでありながら標準樹脂のマクロポーラスタイプと同等の耐有機汚染性を持ちます。

従来の純水装置では、導入水の有機物負荷が高いという理由から再生効率の低いマクロポーラスタイプを使用するケースが多くみられます。こうした用途ではPurolite® SSTに入れ替えて運用する事で、ビードに付着した有機物の除去を目的とした再生剤の消費量を大幅に減らすことができました。

以下に2つの実施例を紹介します。

標準アニオン交換樹脂からの入れ替え -実施例1

流量200m3/hの2床2塔の大型純水装置における実績を紹介する。脱ガス塔が無く、アニオン交換樹脂塔は複層ですが、設計当初より陰イオン負荷が増大したためアニオン交換樹脂の再生レベルを上げることで対応してきました。

従来同等の処理水質で再生コストを大幅に削減

標準樹脂を強酸性カチオン交換樹脂SSTC60Hと強塩基性アニオン交換樹脂・Ⅰ型ゲルタイプSSTA64DLへ入れ替えることで再生コストを大幅に低減できました。

原水水質は表1、運転条件は表2の通りです。処理水質は、標準樹脂と再生レベルを大幅に下げたSST樹脂との間でほぼ同等の水質を示しました。

表1 原水水質

表2 運転条件

樹脂タイプ標準樹脂SSTC60H標準樹脂SSTA64DL
強カチオン弱アニオン強アニオン
Ⅰ型ゲル
強カチオン弱アニオン強アニオン
Ⅰ型ゲル
運転条件サイクル時間:17.4時間
採水量:3,480m3/c
再生方法:向流再生、アニオン複層
サイクル時間:17.8時間
採水量:3,559m3/c
再生方法:向流再生、アニオン複層
再生レベル
g/l
硫酸144苛性ソーダ132硫酸110苛性ソーダ96
安全係数0.810.900.900.840.900.90
運転交換容量
eq/L
1.010.970.611.020.980.63
樹脂量
L
8,3854,6198,1808,3854,6198,180
処理水の水質
(平均値)
電気伝導度:0.13 µS/cm
シリカ漏洩:3 ppb
電気伝導度:0.11 µS/cm
シリカ漏洩:3 ppb

再生剤の使用量とコストの比較

標準樹脂使用時とPurolite® SST使用時の再生薬剤・洗浄水の使用量とコスト比較です(図1、表3)。

Purolite® SSTへの入替えにより使用量は2割以上削減することができ、年間94,000ドルのコスト削減を実現しました。特に苛性ソーダのコスト削減額は年間45,000ドルで全体のコスト削減率に占める割合は48%と、アルカリのコスト削減が大きく寄与しています。

表3 再生薬剤・洗浄水のコスト比較

使用薬剤コスト(千ドル/年)コスト削減合計額に占める割合
標準樹脂Purolite® SST削減額
硫酸64451920%
苛性ソーダ1631184548%
洗浄水112823032%
合計33924594100%

さらに、Purolite® SSTを使用することで、各サイクルの採水量が大幅に増加します(図2)。

マクロポーラスタイプの強塩基性アニオン交換樹脂からの入れ替え – 実施例2

流量300m3/hの2床3塔の大型純水装置において、入り口水のTOCが高い傾向にあるためマクロポーラスタイプの強塩基性アニオン交換樹脂を使用していた現場にて、強塩基性アニオン交換樹脂・Ⅱ型ゲルタイプのSSTA63へ置き換えた実績です。

再生剤苛性ソーダの大幅なコスト低減

マクロポーラスタイプからSSTへ変更することで大幅な再生剤苛性ソーダのコスト低減を達成した典型的な事例です。

原水水質は表4、運転条件は表5の通りです。処理水質は標準樹脂と再生レベルを大幅に下げたSST樹脂との間でほぼ同等です。

表4 主な原水水質

陽イオン濃度陰イオン濃度
Ca2+1.37 meq/lHCO3 –1.43 meq/l
Mg2+0.07 meq/lCl –1.33 meq/l
Na+1.36 meq/lその他0.002 meq/l
Fe2+1 ppmSiO25.0 ppm
全陽イオン2.854 meq/l全陰イオン2.854 meq/l

表5 運転条件

樹脂タイプ標準樹脂標準樹脂SSTA63
強カチオン強アニオン
Ⅱ型マクロタイプ
強カチオン強アニオン
Ⅱ型ゲルタイプ
運転条件サイクル時間:18時間
採水量:5,400m3/c
再生方法:向流再生
サイクル時間:18時間
採水量:5,400m3/c
再生方法:向流再生
再生剤レベル
g/l
塩酸70苛性ソーダ80塩酸70苛性ソーダ50
安全係数0.880.810.880.76
運転交換容量
eq/L
1.210.651.210.64
樹脂量
L
13,00013,00013,00013,000
処理水の水質
(平均値)
電気伝導度:0.11 µS/cm
シリカ漏洩:6 ppb
電気伝導度:0.11 µS/cm
シリカ漏洩:8 ppb

再生剤の使用量とコストの比較

標準樹脂使用時とPurolite® SST使用時の再生薬剤・洗浄水の使用量とコスト比較をします(図3、表6)。

Purolite® SSTへの入れ替えにより年間24,200ドルの苛性ソーダと洗浄水のコスト削減を実現しました(表6)。

表6 再生薬剤・洗浄水のコスト比較

使用薬剤コスト(千ドル/年)
標準樹脂Purolite® SST削減額
苛性ソーダ52.833.019.8
洗浄水24.620.24.4
合計77.453.224.2
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