課題の解決方法を提案します★脱塩水・純水装置再生後の素早い水質の立上り

純水装置再生後の素早い水質の立上り

陽イオン交換樹脂、脱炭酸装置、陰イオン交換樹脂を組み合わせた多床塔による純水装置は定期的に再生されます。

短時間に再生を完了させるためには、再生後に採水運転へ切り替える際に素早い装置復帰、すなわち水質の立上りが求められます。これは後段の陰イオン交換樹脂のリンス特性に依存するため、前段の陽イオン交換樹脂と併せて、当社品と各メーカー品のラインを組んで比較試験を実施しました。

 

試験条件:

活性炭を通した水道水を原水として、多床塔を模したカラム式試験装置を組立てた。

1段目に陽イオン交換樹脂、2段目に陰イオン交換樹脂を充填し、また2段目の前に脱炭酸装置を模したエアレーション槽を追加した。

樹脂は試験直前に倍量再生と規定量のリンス処理を実施した。

この装置に原水をSV=20/hで連続的に通水し、処理水の通水開始直後から5分おきに電気伝導率を測定した。

 

試験結果:

下記のグラフに示す。後段の陰イオン交換樹脂の種類別にみると、製品ライン毎に再生直後の水質回復、すなわち電気伝導率の低下速度と安定したときの数値に差が見られた。

強塩基性陰イオン交換樹脂の結果をみると、Ⅰ型・Ⅱ型ともに当社品が最も早い水質の回復がみられ、またその後も最も低い電気伝導率の処理水が得られた。

弱塩基アニオン交換樹脂はいずれもポーラスタイプの母材の樹脂だが、早い段階から電気伝導率が低下する当社品と他社品(L2)は、再生剤がポアから抜けやすいと思われる。

(注釈)SAC:強酸性陽イオン交換樹脂、SBA1:強塩基性陰イオン交換樹脂Ⅰ形、SBA2:強塩基性陰イオン交換樹脂Ⅱ形、WBA:弱塩基性陰イオン交換樹脂

 

再生直後の電気伝導率の変化

強塩基性陰イオン交換樹脂I型

強塩基性陰イオン交換樹脂II型

弱塩基性陰イオン交換樹脂