ピュロライト、新たな米国工場でバイオプロセシング製品の生産能力を拡大

東京 – 2024年3月19日 – イオン交換樹脂および分離剤の専業メーカーである米ピュロライト(日本法人:ピュロライト株式会社、社長:太安文夫、本社:東京都中央区)は米国ペンシルベニア州ランデンバーグにバイオ医薬品製造用樹脂の新工場を新たに建設することを発表しました。この計画により、世界中の製薬およびバイオテクノロジー顧客への供給安定性を強化し、継続的なバイオ医薬品の開発と製造に貢献します。

新設される米国工場は、高品質樹脂を製造するプラントやクリーンルームに加えて、クロマトグラフィーのアプリケーションをサポートする研究施設とオフィススペースも併設されます。また将来、敷地内の土地に追加で拡張が可能です。

ピュロライトにとって、このランデンバーグ新工場はペンシルベニア州で4番目の拠点となり、新たな熟練雇用の創出と州経済の成長が期待されます。ピュロライトはアガロース樹脂を製造する2工場を英国と米国(ペンシルベニア州キング・オブ・プルシア)に保有しており、ランデンバーグ新工場は3番目のアガロース樹脂製造工場となります。またピュロライトはイオン交換樹脂の製造工場として、中国工場(浙江省・湖州市)、ルーマニア工場、米国工場(ペンシルベニア州フィラデルフィア)が稼働しており、新たな中国工場(浙江省・衢州市)の建設も予定しています。

ここで製造される高品質アガロース樹脂は、モノクローナル抗体および組換えタンパク質や、細胞治療、遺伝子治療、mRNAにわたる新しいモダリティのクロマトグラフィー精製工程に使用され、これらの製品の生産能力の拡大は世界中の製薬およびバイオテクノロジー顧客への大きな支援となることが期待されます。


 

ピュロライト、CH1 アフィニティー樹脂の販売開始を発表

ピュロライト、CH1 アフィニティー樹脂の販売開始を発表

東京 – 2024年3月19日 – イオン交換樹脂および分離剤の専業メーカーである米ピュロライト(日本法人:ピュロライト株式会社、社長:太安文夫、本社:東京都中央区)は二重特異性抗体やフラグメント抗体などの特殊な組換えタンパク質を精製するために設計された新しい70µmアガロースベースのアフィニティー樹脂であるPraesto® CH1の販売開始を発表しました。

この新製品はレプリジェン社との複数年にわたる戦略的パートナーシップの一環で、ピュロライトが製品開発を進めました。レプリジェン社の最先端のリガンド技術とピュロライトの特許取得済みのジェッティング均一粒径ビード製造技術の組み合わせにより、特殊な抗体の精製に対する未解決の課題に対応可能となります。

この新しいCH1精製樹脂は、ピュロライトのProtein Aアガロース樹脂関連事業の拡大に伴い製品開発され、ヒトCH1ドメインを含む抗体およびフラグメント抗体に対する高い選択性を示します。この性質により、二重特異性抗体やフラグメント抗体の精製およびミスペア分子の除去が可能になり、Protein A樹脂での分離が困難な場合の効果的な代替手法として適用されることが期待されます。また、Praesto® CH1はバイオプロセシングで重要とされる高生産性とコスト削減に寄与します。仕様や特長など、詳細は弊社本社サイト[英語]のPraesto® 70 CH1紹介ページをご覧ください。

先立ってピュロライトはペンシルバニア州ランデンバーグ新工場の建設計画を発表しました。ピュロライトはこれからも事業拡大と技術革新への取り組みを強化し、世界中の製薬およびバイオテクノロジー顧客の高い要求に応えるべく、高品質の製品を製造し、安定的に供給して参ります。


 

課題の解決方法を提案します★合成吸着剤によるリンゴジュースの脱色

課題の解決方法を提案します★合成吸着剤によるリンゴジュースの脱色

濁りの無いリンゴジュース

リンゴジュースは広く消費されており、その市場は年々成長すると推定されています。リンゴジュースは、リンゴをすりつぶして圧搾し、酵素反応させて抽出度を高め、ろ過した果汁を得ることで製造されます。ジュースの濁りは一般に、プロリンとポリフェノールの間の相互作用によるものですが、合成吸着剤でリンゴ果汁からポリフェノール(または色)を除去すると、濁りの無いジュースを得られます。

 

合成吸着剤を利用したリンゴジュースの脱色

Macronet™ MN102 は、味と香りを変えることなく、リンゴジュースから色を除去できます。当社アプリケーションラボで、MN102に流量10BV/hでジュース(Brix15, pH3.79)を通液して処理液の色をテストしたところ、30BV程度までは高い脱色効果が確認されました。40-50BV以上では脱色効果は低下しますが、通常2% NaOH溶液による再生処理により再利用が期待できます。

図1:Macronet™ MN102によるリンゴジュースの脱色(通液速度10BV/h)

 

Purosorb™ PAD900も、リンゴジュースの脱色に関して高いパフォーマンスを発揮します。ジュース(Brix15, 液温40℃)をPAD900に2BV/hで通液処理して脱色効果をテストしたところ、9時間(=18BV)経過しても脱色効果が確認できました(図2)。

図2:PuroSorb™ PAD900によるリンゴジュースの脱色(通液速度2BV/h)

 

またPAD900 は表に示すように、6種類の農薬の除去にも非常に効果的でした。市場では広範囲にわたる農薬が使用されているため、樹脂の能力をより完全に理解するために、個別に追加試験を行うことが推奨されます。

表:Purosorb™ PAD900によるリンゴジュースから農薬の除去(2BV/h)

 

活性炭と合成吸着剤

リンゴジュースの脱色には活性炭やその他の方法が使用されています。活性炭は合成吸着剤(樹脂)に比べて安価ですが、合成吸着剤には除去物質の選択性が高いという利点があります。すなわち合成吸着剤は、ジュースの味や香りを損なうことなく色や濁りを除去する効果が期待でき、高品質の製品製造が期待できます。またリンゴジュースの脱塩が必要な場合は、強酸性カチオン樹脂の後に強塩基性アニオン交換樹脂を連続処理することが推奨されます。


 

課題の解決方法を提案します★イオン交換樹脂による二酸化炭素(CO2)吸着性能試験

課題の解決方法を提案します★イオン交換樹脂による二酸化炭素(CO2)吸着性能試験

関心が高まるDAC技術

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、大気から直接二酸化炭素(CO2)を分離して捕集・回収する技術(DAC: Direct Air Capture)が注目されています。イオン交換樹脂はDAC技術に使われるCO2捕集技術の一つで、特にアミンを官能基に持つ弱塩基性アニオン交換樹脂は、CO2吸着効率が高いことが実証されています。 Read more

ピュロライト、世界市場におけるイオン交換樹脂の需要増加に対応するため中国に新工場を建設

東京 – 2023年11月13日 – イオン交換樹脂および分離剤の専業メーカーである米ピュロライト(日本法人:ピュロライト株式会社、社長:太安文夫、本社:東京都中央区)は、近年の世界市場におけるイオン交換樹脂の需要拡大に対応するため、イオン交換樹脂の新工場を中国に建設し、生産能力を大幅に拡大することを明らかにしました。

新設される中国工場は、中国・浙江省の衢州市(くしゅうし)において2024年に建設が開始され、2026年後半の製造開始を予定しています。新設工場には一般産業用の水処理用途および各種プロセス用途向けイオン交換樹脂を製造するプラントに加えて、研究所とオフィスも併設されます。新工場建設に関わる投資額は非公表です。

現在ピュロライトはイオン交換樹脂の製造工場として、中国工場(浙江省・湖州市)、ルーマニア工場、米国工場(ペンシルベニア州フィラデルフィア)が稼働しています。このほかピュロライトは、医薬原薬用のイオン交換樹脂製品を製造する米国工場とルーマニア工場を保有するほか、抗体医薬向けプロテインA担体アガロース樹脂については英国工場と米国工場(ペンシルベニア州キング・オブ・プルシア)に加えて、新たな米国工場(ペンシルベニア州ランデンバーク)の建設も予定しています。

今回の中国工場新設は、世界市場におけるイオン交換樹脂の需要増加に対応するため、世界的なサプライチェーンの強化を目的としています。特に、今後市場の伸びが期待されるアジア市場に向けた供給能力の増加と納入リードタイムの短縮を図ってまいります。